睡眠時無呼吸症候群

~高血圧や心臓病とも関連する睡眠時無呼吸症候群~


1. 睡眠時無呼吸症候群とは?

毎晩いびきをかく方の中に息が止まってしまう方がいます。なかでも10秒以上止まってい
る場合を無呼吸といい、この無呼吸が一晩に30回以上あるいは 1時間当たり5回以上ある
状態を『睡眠時無呼吸症候群』といいます。
もし以前に周囲の人から、あなたが夜間のいびきや呼吸停止を指摘されたことがあれば、
睡眠時に呼吸障害を起こしている確率は高いといえるでしょう。
また、夜間のいびきや呼吸停止がなくても、眠気が異常に強ければ睡眠時呼吸障害の可
能性は高いといえます。

2. どんな症状がでますか?

このようにいびきが重要なサインですが、次に重要なのは昼間の眠気です。無呼吸で深い
睡眠にならないため浅く質
の悪い睡眠となって、翌日の眠気と集中力低下が起きます。集中力の低下は学業の悪化や
仕事の能率低下、重要な会議中の居眠りなどにつながります。
また睡眠時無呼吸症候群の患者さんは交通事故を起こしやすいと報告されています。その
他、夜間頻尿やインポテンツ、頭痛・頭重感や口渇などの症状も出てくることもあります。
そして小児では睡眠障害のため成長障害を起こす事があります。
睡眠時無呼吸を、適切な治療をせず放置しておくと、狭心症や心筋梗塞、脳卒中が普通の
方の2-5倍多いといわれています。

3. どのようにして診断しますか

簡便な睡眠時無呼吸診断装置が出ています。これは自宅で無呼吸、酸素濃度を測定できる
装置です。これを自宅でご自分で装していただき検査します。翌日返却してもらい、その
場でコンピューター解析し結果を説明します。この検査では無呼吸回数、無呼吸指数、動
脈血酸素飽和度などがわかります。これにより、診断が簡便に出来ます。保険適用となっ
ています。

4. 睡眠時呼吸障害の治療は?

睡眠時呼吸障害の治療には大きく分けて3つの方法があります。
CPAP(持続性陽圧呼吸)は、重症な睡眠時呼吸障害の患者さんの大多数にもっとも適した治
療方法です。この治療方法の長所は、気道の虚脱を防ぐ圧を付加することで、理論上完全
に無呼吸をなくすことが可能となります(保険適用可)。
しかし、圧の負荷が大きくなれば、眠りにくくなることもあるため、中等症以下の睡眠時
呼吸障害の一部の患者では、CPAPを用いない場合もあります。