認知症の介護について

厚生労働省は平成24年にオレンジプランを公表しました。これは、理念として認知症の人は、精神科病院や施設を利用せざるを得ないという考え方を改め、認知症になっても住み慣れた地域で暮らし続ける事ができる社会をめざすと述べられています。それには、地域で医療、介護サービス、日常生活支援サービスが包活的に提供される体制をめざす。また具体的に早期診断、早期対応などのポイントが示されています。認知症が他人事でならぬ自分の事になった時、自分の老後をどう生きますか?問われてこれまで通り普通に自宅で生きたいでしょう?と問いかけているのですが、誰しもこれに異論はないでしょう。しかし、在宅生活に要する費用は入院入所より高額かもしれないと考える時、この施策の財源はどうするのかと疑問も生じます。在宅を支える訪問医療、訪問看護、介護などの医療資源が十分でない自治体では果たして在宅での老々介護や認知症同士の認々介護、共働き夫婦が日中いない状態での在宅介護などのケースにどう対応するのでしょう。国の医療介護の予算切り詰めの中、こういった施策を自治体や地域社会、また医療者の犠牲心に丸投げしてしまうのでは医療崩壊そして地域社会の崩壊にもつながりかねません。安心して認知症患者が暮らせる施設の充実も大事な課題であると思います。